【おススメの本】哲学を通じて、考え方を多様化しよう。
どうも、JECです。
今回の記事はお勧めの本の紹介です。
と言っても、サッカーやスポーツに直接的に関係のある内容のものではありません。
しかし、私個人の見解として、サッカーだけに集中しがちなサッカー選手、育成年代の選手にぜひ読んでほしい本、分野になりますので、今回の記事で紹介させていただきます・・・。
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【今回の主張】
・サッカー選手の在り方はもっと多様でいい。
・サッカーだけに取り組むのが正解とも限らない。
・むしろ、他分野も積極的に学ぶことで、相乗効果(シナジー)を生むことが出来る。
【目的・意図】
・常にフィールドを広く持って、考え方を多様化したい。そして、この取り組みは、出来れば育成年代で行いたい。(早ければ早いほど良い。)
【ということで本題です】
サッカー選手のみならず、すべてのアスリートに共通する事だが、その競技にだけ特化した知見を持ち合わせることがすべてではない。【目的・意図】にも書いたように、フィールドも広く持つことは、考え方を多様化し、結果的に教義にも生きるような相乗効果を生み出す。それを踏まえたうえで、ぜひ学んでほしい分野、学問というのが、今回紹介する「哲学」である。
なぜ哲学を学ぶ必要があるのか。というのも、哲学を学ぶことというのは、過去の偉人たちの考え方に触れる事、すなわち過去の偉人たちと対話をすることであり、この体験はわたしたちの考え方を多様化するのに、最適であるからだ。このような体験が人生において、善く作用しない訳がない。それは、セカンドキャリアがどうとか、それ以前に、我々の行動の礎となるマインド教育において重要な役割を果たす。
いかんせん、哲学を好きになるかどうかは、その本人の「素養」によるものが大きいと思われがちだ。大学の「哲学」の講義なんかを見ればよく分かる、「哲学は、真理とかどうでもいいことについて、イデアとかよくわかんない言葉を使って、長ったらしく偉そうな人が語ってるような学問でしょ」みたいな印象を、大抵の学生は抱いている。この資本主義社会において、「真理の追究」とか「知を愛する」とか、みじんも役に立たなそう。とか、思われている・・・。
私個人の見解としては、その分析はあながち間違っていない。というか、実際、哲学書を一冊頑張って読む時間を使って、日雇いのバイトでもした方が、資本主義という観点で見れば「得している」のは確かだ。
しかし、資本主義社会以前に、私たちが「人間」であることを念頭において、哲学の価値について考えてみてはいかがだろうか。私たちの行動というのは、上記したような金銭の損得を基準に決定されているとは限らない。私たちは、金銭以外の欲求についても、大きくその判断を左右される。
そのような人間が持つ普遍的な欲求を、哲学はサポートしてくれる。
私たちが、悩んだり、不安になった時に、過去の哲学者たちが導き出した思考法に触れておくことで、それを実践し、解決する事が出来るだろう。
これは、サッカー選手だけでなく、すべての人間に共通して哲学が絶対的な力を持っていることを示している・・・。
【お勧めの入門書】
さて、哲学が持つ絶対的な力について理解したところで、いったい何から手を付ければ良いのか。
なんの基礎知識もなしで、いきなり哲学書を読んでも、途方もない時間と手間がかかる為、ここでは、初学者にお勧めしたい哲学の入門書を紹介して、この記事を締めくくろうと思う。
非常に読みやすい内容で、私たちの興味を引く内容がふんだんに含まれている為、ぜひとも手に取って読んでみてほしい。
①史上最強の哲学入門~西洋編~
著者は飲茶(やむちゃ)氏。哲学や科学など、幅広い分野の知識を、わかりやすく解説してくれる。
中でもこの、「史上最強の哲学入門シリーズ」は初学者にとって、哲学とは何かという基礎原理から各時代における重要な哲学者まで分かりやすく解説している。カバーイラストは、漫画グラップラー刃牙で有名な、板垣恵介氏が手掛けている。
②史上最強の哲学入門~東洋編~
こちらも、飲茶氏によって執筆された哲学入門書の王道。東洋哲学、思想についてまとめられており、西洋編よりも、その起源について詳しく記述されている。この東洋編はインド哲学から「悟り」についての解説が始まるが、言語化の難しい東洋的な考え方が、うまく体系的に一冊にまとめられていて、個人的に何度も読み返した。初学者にとって紛れもない良書である。
③その悩み、哲学者がすでに答えを出しています。
著者は小林昌平氏。「将来が不安」「お金がほしい」「死ぬのが怖い」
これらの現代人の悩みというのは、はるか昔から人類を苦しめてきた。ならば、はるか昔の哲学者たちもこのことについて、悩み、そしてすでに答えを出しているだろう。というコンセプトの本で、非常にわかりやすい平易な言葉で哲学者たちの考え方がまとめられている。その題の通り、私たちの悩みというのも、この一冊を読むだけで解決してしまうかもしれない。
トレーニングの基本原則から考える「走り込み」の非効率性
どうも、JECです。
普段からよく「罰走」や「走り込み」について批判的なツイートをしていますが、今回の記事では「なぜ走り込みが非効率なのか」についてトレーニング科学の観点から考えていきます。
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そもそも、トレーニングの定義・目的って?
サッカーの競技性や走り込み云々の前に、アスリートが行うトレーニングの定義と目的について簡単に整理しましょう。いろいろな言われ方がありますが本記事におけるトレーニングの定義(スポーツにおいて)は、「適切な過負荷にて運動を行い、運動遂行能力を向上させること」と、します。(ここでいう適切な負荷は、トレーニングの量、もしくはトレーニングの質のどちらかになります。)そして、アスリートにとってのトレーニングの目的は、「競技者として記録の向上を目指し、勝利を追求すること」と、します。
要は、不適切な過負荷で運動遂行能力が向上しないものはトレーニングとは言えず、その内容を見直す必要があるという事です。
では、適切な過負荷について考えます。単純な負荷はトレーニングの量とトレーニングの質に分けることが出来ます。
トレーニングの質を決定するのは、
・その競技にあったトレーニングであるか
・目的にあったトレーニングであるか
・個人の特性にあったトレーニングであるか
という点で評価されます。この三点については後ほど詳しく扱います。
トレーニングの量については、「強度×時間×頻度」で定義されます。つまり、どれか一つが突出していても、この三要素内でバランスが取れている分には適切なトレーニング量であると言えるのです。逆にこれらすべての要素を同時に高めてしまうと、それはトレーニングではなく「オーバートレーニング」になってしまいます。
トレーニング量の三要素について
強度について
主に、外的なものと内的なものに分かれます。外的なものとしては質量や、高さ、衝撃力、発揮されるパワーなどで推測され、内的なものは心拍数や血中乳酸濃度、RPEなどをもとに推測されます。(この辺についてはまた別の記事で詳しく書くと思います。)
時間について
各トレーニングにおける休息を含めたトータルの時間です。
頻度について
週、月、年に何回トレーニングが行われるかです。
筋力トレーニングだと週2~3が良いなんて言われるのもこの頻度という概念に基づいたものですね。
では、過負荷とは何でしょうか。
トレーニングの基本原則にもある「過負荷の原理」によると、
「トレーニングの負荷は個人にとってややきついものでないとその効果は得られない、また、トレーニングの効果に応じて負荷は徐々に高める必要がある」
つまり、ややきつくてトレーニング効果が得られる負荷のことを、「過負荷」というのです。
この原理は筋力トレーニングが頻繁に例として挙げられますね。いつまでも同じ重さのバーベルでベンチプレスをしていても筋肉は一向に肥大化しません。50㎏が10回上がったなら、55㎏でセットを組むようにして、筋肉に適切な負荷を与えなければならない。という訳です
トレーニングの定義、目的、過負荷の原理についておさらいしたところで、
次はサッカーの競技性について理解を深め、サッカーにとって適切なトレーニングを考えてみましょう。
サッカーの競技性について
サッカーはかなり複雑性の高い競技で、なおかつその運動形態は局面ごとに大きく異なると言えます。
11対11+審判と1つのボールによって進行されるゲームは、常に速いスピードで状況が変化し、ある時はスプリント、ある時は急激な方向転換、停止、ジャンプを行う必要があり、何か一つの能力を引き上げてもパフォーマンスが向上するとは言えません。
また、状況認知と判断が非常に重要で、注意集中を広い領域から狭い領域にかけて連続的に切り替える必要があり、これは身体的な活動の中でも脳がつかさどる部分でもあります。
と、なんだか固い言葉を並べてしまいましたが、要はサッカーという競技は複雑性が高く、何か一つのことをやっても試合で成果を上げることはできない、つまりトレーニング内容をより慎重に考える必要があるという事です。(当たり前ですが)
それでは「走り込み」について考えましょう
では走りこむことで得られる体系的なメリットを挙げてみます。(ここでいう走り込みは、比較的強度の高い典型的な有酸素性トレーニングです。)
まず、間違いなく有酸素性能力は向上するでしょう。要は、長い距離を走れるようになります。具体的に言えば、毛細血管の数が増えて、筋線維内への酸素やエネルギー供給が促進されます。また、ミトコンドリアの酸化能力が向上し、グリコーゲン分解の抑制、脂肪酸化の割合が増加します。
とまあ、走り込みによる体系的な持久力の向上は間違いありません。
しかし、前述したようなサッカーの競技性、およびトレーニングの定義、目的と合わせて考えてみたら、どうでしょうか。
サッカーの競技性を踏まえて「走り込み」を考えると
サッカーは一試合当たり90分間で13㎞程度走る競技です。そう考えると、有酸素性能力の向上はパフォーマンスの向上に直結していそうにも思えますが、実際試合の重要な局面、およびオンプレーの動作を考えてみましょう。まず、多いのが10ⅿ以内で行われるスプリント動作、そしてフィニッシュワークやドリブルにおける激しい方向転換、止まる動作、ジャンプ動作どれも有酸素性能力による活動ではありませんね(厳密にはすべてのエネルギー機構が常に活性化してはいますが・・・)
前述したのは、すべて体系的な能力についてです。しかし、サッカーは「ボールを使う競技です」。
極端な話ボールをうまく扱える選手は、局面を打開するスキルがあります。スペースや敵味方の位置を把握し、即座に判断できる選手はサッカーが上手い選手だと言えるでしょう。言うまでもなく、これらの能力は走り込みでは一切身に着けることが出来ません。走り込みの練習量が増えれば増えるほど、ボールを触る時間が減っていることを意識しましょう。
また、試合中の疲労度についてもここで重要になります。試合終盤のオンプレーでイージーミスが増える原因を、体系的な有酸素性持久力の無さに起因させる指導者の方が多いからです。たしかにこのイージーミスは体系的な持久力の低下が原因の一つではあるかもしれませんが、果たしてそれは「有酸素性能力」のことなのでしょうか。
ここでまた、サッカーの競技性に立ち返って考える必要があります。サッカーは複雑性の高い競技です。その分、ストレスの種類も多岐にわたります。「サッカーにおける持久力」という言葉を使えば、それは単純な有酸素性運動による疲労物質の蓄積だけが原因ではないことは明確です。試合の経過に伴った精神的な疲労や(脳神経系の疲労)プレー中のダッシュ動作や方向転換などの特異的アクションによる主働筋、拮抗筋、共同筋間の結合の悪さも、疲労の原因として考えられるでしょう。
これらのサッカーにおける特異的な疲労は、走り込みでは改善されません。つまり走り込みは、「トレーニングの質」における「その競技にあったトレーニングであるか」を満たしていないという事も出来ます。強いて言うなら、断続的に行われるスプリント間の疲労回復能力は、有酸素性トレーニングで向上させても良いかもしれませんが、それならインターバルを取りながら小さなコートで高インテンシティのポゼッションをした方が、特異的でより複合的なトレーニングであると私は思います。これについても、個別性の原理に基づいて各選手ごとにアプローチの仕方を変える必要がありますが、チーム全体を走りこませるほど体系的持久力に問題がある場合は、チームの戦術自体を他のものにシフトした方が合理的かなとも思います。
まとめ
今までで一番長い記事になってしまいました。うまくまとまっているかは正直微妙ですが、要は「走り込みが絶対悪ではないけど、サッカーの競技性を考えれば、走り込みするよりも、効果的なトレーニングってたくさんあるよね、ずっと走ってるチームは本当によくわからないけど」という事が言いたかったわけです。
このブログを読んでくださっている皆様は、サッカーにおいて重要なのは長い距離を走ることではないという事を十分に理解されていると思います。しかし、多くの指導現場ではいまだに走り込むことでつく持久力が、「サッカーの持久力」であると考える指導者、あるいは、認知判断の能力やボールコントロールを放棄して運動量で誤魔化そうというスタンスのチームが多くあります。そんなわけで、これからも罰走とか走り込みに関するツイートはつづくと思いますが、温かい目で見守っていただけると幸いです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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サブ垢
サッカーの持久力についてお勧めの書籍
運動生理学について①
運動生理学について②
最強の減量飯「沼」について【シャイニー薊】
JECです。
久々の更新です。(一年くらい全く更新していませんでした)
なぜか急にブログを書こうと思い立ったので、更新します。
と言っても、基本的にブログは緩くやろうという事で、今回は最近個人的にキテる
フィットネス系YOUTUBER
「マッスルグリル」の「シャイニー薊」さんが開発した
最強の減量食「沼」についてです。
(※いきなり沼ですみません)
(※全くサッカー関係なくてすみません)
(※でも、食事内容やシャイニー薊さんの考え方は非常に参考になります。)
シャイニー薊さん
マッスルグリルについて
マッスルグリルは、マッスル料理人「シャイニー薊」さんと、格闘家の「スマイル井上」さんの二人で運営されているyoutubeアカウントです。
普段の動画は、
・美味しい減量食の紹介
・トレーニング動画
・パトロール
・BBQ
等の内容を中心に、
薊ワールドが展開されます。
(シャイニー薊さんは調理師免許をお持ちで、美味しい減量食については、フィットネス界隈でもかなり研究されている方です)
中でも、マッスルグリルチャンネル内で最高の再生回数を誇る伝説の動画、
「究極の減量食 沼」
は必見です。
究極の減量食「沼」
「沼」という名は、その見た目に由来しています。
(炊飯前の、材料を入れただけの状態の沼)
味付けはカレーをベースにしているので、
料理自体は茶色です。又、わかめやシイタケが沼感をより一層引き立てています。
筆者も日常的に沼を食べていますが、炊き上がる前の段階で部屋中がカレーのにおいになります。しかし、減量の効果は圧倒的で、沼中心の食生活を一か月程度送れば、目に見えて体に変化が現れます。(サッカーなどの競技アスリートの場合、練習や試合の負荷に合わせて炭水化物の量をコントロールし、加えて不足しているビタミンやミネラル、脂質も摂取する必要があります)
体重過多や、肥満気味の方、もう少し体を絞りたい方はぜひ実践してみて下さい。
材料を炊飯器におもむろボーンして、炊飯押すだけでできるので、一人暮らしで自炊している選手にはお勧めです。材料も一切切る必要ありません。(7時間放置したら何もなくなっている)
↓沼の動画↓
シャイニー薊さんと沼
シャイニー薊さんは、常日頃から厳格な食事制限を行っています。
・お酒を飲まない(そもそもアルコール自体好きではない)
・添加物の入ったものは極力避ける。
・減量期でなくても、沼など「ソレ系のもの」を食べている。
・お菓子や揚げ物も普段あまり食べない。
・甘味は基本的にフルーツから摂る。
好きな食べ物は、バナナ、リンゴ、芋だそうです。(動物が食べるもの)
ボディメイク、フィットネス関連のチャンネルの中でも、ここまで食事にストイックな方は中々いません。通常、ボディビルやフィジークの選手は大会が近くにつれて減量期に入り、長い期間をかけて猛烈な食事制限を行いますが、シャイニー薊さんの場合は上記の通り、常日頃からチートデイ的なものもなく、ジャンクなものも食べないので、三週間程度「沼」生活を送ればバッキバキに仕上がってしまうそうです。
サッカー選手がここまでストイックな食生活、というか極端な食事制限を行う必要はありませんが、シャイニー薊さんはじめ、多くのボディビル、フィジーク選手の「自分の身体と対話する姿勢」からは、学べることがたくさんあります。
筋トレにハマるメリットは数多くありますが、
「休息と食事の意識の変化」
は、選手が能動的にコンディショニングの質を高めてくれる重要なキッカケになる、と思っています。
(コンビニで何か買うとき、おもむろに成分表示を見るようになるとか)
勿論、競技ごとにトレーニング方法や頻度、ピリオダイゼーションを考える必要はありますが、
それでも正しい方法で行うレジスタンストレーニングの恩恵は計り知れません。
フィットネスyoutube界に君臨した異端児「マッスルグリル」の活躍に、期待大(ご)です。
最近スポーツ科学のサブ垢も始めたので、サプリメントの相談などは下記のアカウントにDM飛ばしてください。
JEC@スポーツ (@JEC63078121) | Twitter
久々のブログがサッカーに関係なくてすみません。
ブログは内容も頻度もゆるーく更新していくので、何も期待しないでください(?)
「10合炊き炊飯器」
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「乾燥わかめ」
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(いつも、いいね・RTありがとうございます。
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稚拙な文章になりますが、今後ともよろしくお願いいたします。)
JEC
FIFAランク35位の格上、ウクライナと激突!各選手分析【日本vsウクライナ:マッチレポート】
どうも、JECです。
今回は、ウクライナとの親善試合について、日本の各選手分析と総括、今後の課題についての記事になります。
よろしくお願いします。
※かなり乱雑な文章ですが、ご了承ください。
試合全体を通して
結果は1-2の敗戦。
マリとは、さすがにビルドアップの精度が大きく異なるウクライナ。ダイレクトプレーを使ったチャンスメイクの質が高い。
とくに中盤はスペースの共有という点で、選手がスペースに入る→その選手が動いてできたスペースに選手が入るの繰り返し。
CBがワイドに開いて、コノプリャンカやジンチェンコなどハーフスペースを狙ったくさびを入れるシーンがあり。
コノプリャンカはアタッキングサードで意外性を出せる選手で、なおかつ酒井の裏を突くオフでのプレー精度の高さを見せた。
また、中盤のデュエルがマリ戦とは比較にならない。ジンチェンコをはじめ、プレーの判断にもたついた時点で掻っ攫われる。
日本、各選手分析
川島
コーナーで、飛び出たにも関わらず触れないシーンもあった。
果敢な飛び出しを見せるシーンもあったが、やみくもに出るべきではない。
長友
やはり課題はビルドアップ能力。ボールをもらう前の段階でプレーの選択肢を確保しておくべきで、もらってから考えるシーンが目立った。無理なら簡単に下げて作り直す、ビルドアップの基本。効果的なダイレクトプレーもなく、いつものように縦へ持ち上がるビルドアップのみ。
とにかく、ボールを持ってから悩む時間が長い。というか、相手がはめにくる中で、悩む時間があってはいけない。
槙野
マッチアップに前を向かれるシーンもあり。
同点弾。裏のスペースへの対応が曖昧なウクライナの弱みを露呈させた。
植田
本田へのハーフスペースを狙った縦パス。
不用意な逆サイドへの、パスをカットされるシーンが散見された。必然的にポゼッション率は落ち、もたれる時間が増える。
体を投げ出す守備、ただ、投げ出す必要が本来あったのか。カバーのポジショニングについて、ボールウォッチャーになるシーンが目立ったので、カバーの意識について、見直す必要がある。
酒井(高)
代表になると、かなりポカをする。前半だけで5回程度裏を取られた。
本田が自由にポジショニングを変えて受けどころを探す、出来たスペースを共有。ダイレクトプレーでチャンスメイクするシーンもあり、攻撃面では比較的良いパフォーマンス。
山口
本田が柴崎に連動して中盤へ規制をかけにスライドした際に、そのサイドのスペースを埋めるシーンがあり、高い運動量で気の利いたプレーを継続して行った。
セカンドボールに対して、先に拾われた後の「前を向かせない」プレー。
縦への規制をかけられていた。
攻撃面では焦ってくさびを入れるシーンがあったが、無理なら戻す、自分で行けるなら自分で行く、バリエーションを見せたかった。
長谷部
ビルドアップで横への揺さぶりを意識した、ボールへの絡みをみせたが雨の影響もあってか、相手に横パスしてそのままフィニッシュまでもっていかれる、イージーミスが目立った。深い位置での、横パスを掻っ攫われると、周りの選手はネガティブトランジションについてポジショニングできていないので、一気にゴールまでもっていかれる。
後半、久保がサイドで張った状態でボールを受けてからの、サポートの意識が高く、クロスを上げるシーンもあった。
前半のミスを修正した自己分析能力は流石。
柴崎
個人での規制は積極的に行えていたが、本田や杉本との連動、組織での規制は曖昧なシーンが目立った。
セットプレーでの、プレスキックの精度は高いものを持っていて、ウクライナの裏のスペースをつく見事なキックを見せた。
個人の展開力、ドライブ(前へ運ぶ目的のドリブル)が求められていたが、パスで逃げるシーンが目立った。
本田
サイドで起点になり、そのままカットインし中央に流れたときにできる、右サイドのスペースを柴崎が活用するシーンでは、ゴール前まで迫ることができる。左で作って(相手を引き付けて)逆へ展開するシーンのうちいくつかは、このような本田のカットインからできたもの。
植田から本田へ、ハーフスペースで受けるシーンがあったものの、その後のサポートのイメージをまわりと共有できていないので、その部分で改善が必要。半身になってダイレクトプレー、杉本との意思疎通が必要。
原口
ダイブの仕方が完全にロッベン。前半、仕掛けのシーンで長友へラストパスをするシーンがあったが、出来ればシュートまで持ち込んでほしかった。以前の記事でも触れたように、中島や宇佐美と比較して、フィニッシュワークまでのイメージでは劣る。目の前の相手一枚を抜くイメージはできているが、シュートまでのイメージの質は微妙。
後半のペナルティアリアでとられてシュミレーションをとられてしまったシーンでは、アグレッシブるな仕掛けも見せた。
後半になって、ハーフスペースの低い位置までボールを受けにきて起点になるシーンも見られたが、フィジカルの弱さを露呈しボールをロスト。
献身性については、乾と同様、申し分ないが、無駄走りも多少目立つ。オフ時のネガティブトランジションを意識したポジショニングを徹底すれば、改善の余地あり。
長友との連携は課題。(というか長友のビルドアップ能力のなさ)
杉本
敵CBへプレッシングするも、縦への規制をかけられていないのでワンタッチで剥がされる。なにも考えずにただ走って規制しに行っているだけ。周りとの連動も期待できないので、無駄は走りになっていて、「ただ走ればいい」日本の育成年代の縮図のような守備をした。
ボール奪取後慌てて杉本に蹴る、サポートがいない→とられる(もしくはファールがもらえる)シーンが多い。
小林
サポートの意識、規制のかけ方は杉本の完全上位互換。
中島へ落したシーンは、プレーの選択肢を事前に持っている証拠。
久保
ハーフスペースの活用はなし。基本的に張った状態で、柴崎などセントラルからの展開を待機。
中島
トップ下での起用。
セットプレー時のプレスキックの精度は流石。
少ない出場時間で、また抜きシュートなど、随所でスキルの高さを見せつけた。ファンタジスタ。
三竿
消極的なプレー、逆サイドへのパスを躊躇するシーンがあった。
まとめ
バックライン全体を通して、(酒井は比較的ダイレクトを使って判断は早かった)ビルドアップ能力が皆無で、攻撃を組み立てるイメージがまったくもって共有されていない。特に、長友のビルドアップ能力は相当低く、左サイドで作るというよりは、左サイドで時間がかかって、相手が食いついていたイメージ。本田圭佑はハーフスペースに顔を出したり、サイドからのカットインでバリエーションを作った。ただ、フィニッシュまでもっていったシーンは前半の一回のみ。チームを通して、フィニッシュまでもっていけるのは、逆サイドからの展開ばかり。バリエーションのなさは本番までにどう改善するのか。
ウクライナは完全格上というのがはっきりわかりました。ヤルモレンコという大エースを除いてこの結果。
日本は今回のテストマッチ、収穫は中島の活躍をはじめ、沢山あったと思います。
ただ、それ以上に露呈した課題の多さ、それを本戦までにどれだけ修正できるか。
今後のハリルの動向に注目です。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
JEC
ウクライナの至宝【日本vsウクライナ:親善試合】
どうも、JECです。
今回はウクライナ代表の新たな至宝についての記事になります。
よろしくお願いします。
ウクライナの至宝
現マンチェスター・シティ所属、ウクライナの至宝オレクサンドゥル・ジンチェンコ選手をご存知でしょうか。
ペップ政権のもと、急速に成長する21歳期待の左サイドバック(代表、これまでの本職はセントラル)は、ウクライナの新たなスター候補といっても過言ではないでしょう。
ウクライナの名門シャフタールの下部組織出身で、FCウファというロシアのクラブを経て、マンチェスター・シティへ加入。
19歳の若さでEURO2016メンバーに選出、今回の日本との親善試合も、スタメン出場です。
基本的なステータス
名前:オレクサンドゥル・ジンチェンコ
国籍:ウクライナ
所属:マンチェスター・シティ
生年月日:1996年12月15日
身長:175cm
体重:61kg
利き足:左足
決して大柄な選手ではありませんが、シティに多いタイプの選手ですね。
また、現所属のチームメイト、ケビンデブライネと顔がそっくりで、よくサポーターやマスコミにも「ケビン!!」と、間違えられてしまうのが最近の悩みだそうです。
↓デブライネさん↓
特徴は高いユーティリティ性
シティではメンディーやデルフが負傷の中、グアルディオラの下で左サイドバックにコンバート。代表では主にセントラル、トップ下でプレーすることがほとんどですが、とにかく高い足元の技術と、ビルドアップ時の意外性のあるフィードや、広いシュートレンジから放つ強烈なミドルシュートもシティでは印象的でした。
サイドバック起用の際も、やはりオフェンス~中盤の選手として経験を積んできただけあって、非常に高い技術と攻撃のオプションを兼ね備えていて見ていて非常に面白い選手です。
現在21歳とまだまだ若手の部類には入りますが、このように非常に高いユーティリティ性を持ち合わせた選手になります。
永遠のライバル、韓国が北アイルランドと激突
どうも、JECです。
今回は日本の永遠のライバル韓国についての記事になります。よろしくお願いします。
試合をみて、韓国代表の印象
韓国は、全体的にアグレッシブルな印象を受けました。
敵陣で行うビルドアップ時、選手が流動的に動いて頻繁に追い越す動きを繰り返します。
また、トッテナム・ホットスパーFCで活躍するソンフンミンをはじめ、個で勝負してフィニッシュまで持っていける選手が多く、(日本の左サイドについては、宇佐美や中島のようにフィニッシュワークのイメージに優れた選手が見られますが)相手守備陣からすれば、「怖い」前線のメンバーではあります。
センターバックの選手についてはラインコントロールの怪しいシーンが何度か見られましたが、基本的なビルドアップ能力については日本と同じ程度(もしくはちょっと上)くらいかと思われます。
日本との差①
まず、フィジカルに関しては日本よりも屈強です。
ごつい選手が何人かいて、というよりは、チーム全体でフィジカルのベースアップができている印象です。
高さについても、E-1選手権で日本から2得点を奪った198cm、97kgの巨漢、キム・ジンウクはじめ、高身長の選手が多い印象です。
平均身長については、182.2cmとロシアW杯出場国で中位以上につける中、(ブラジルW杯では184.3cmと出場国の中でも5位)
日本代表の平均身長は178.1cmと出場国の中でもサウジアラビアに次いで、下から2番目です。(ブラジルW杯では178.0cmで下から3番目)
サッカーは身長がすべてではありませんし、平均身長が低いチームでも勝てます。(プレミアリーグ首位のマンチェスター・シティはリーグ最下位の平均身長)
ただ、現在のハリルホジッチ率いる日本代表は、自分たちでボールを保持してポゼッション率を高め、自陣からビルドアップしていくようなチームではありませんし、どちらかというと格上の相手に対して、ブロックを形成し、カウンターで一発を狙うスタイルですから、平均身長は戦術に大きく関与するのでは?と思います。
日本との差②
絶対的なエースの有無も、日本との大きな差になります。
トッテナム・ホットスパーFCのFW、ソンフンミンはプレミアリーグ今季12得点の活躍で、2年連続の二桁得点、昨シーズンからコンスタントに結果を残しています。
果たして現在の日本に、トップリーグで結果を出すような絶対的エースはいるでしょうか。
また、ソンフンミンは昨年11月の韓国vsコロンビアの親善試合では2得点を挙げ、チームも2-1で勝利しています。
↓ソンフンミン、コロンビア戦のゴールシーン↓
↓コロンビア代表、日本との差↓
おわりに
日本にないものをいくつも持っている韓国、といった印象です。
特にソンフンミンのような選手は今最も日本が必要とするタイプのような気がします。グループステージで死の組へ入った韓国ですが、昨年コロンビアを下した実力は本物ですし、もしかしたらもしかするかもしれませんね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
JEC
コロンビアvsフランスを見て
どうも、JECです。
今回は、フランス代表VSコロンビア代表のマッチレポート記事になります。
日本が2018ロシアW杯で初戦に対戦するコロンビア代表の、選手にフォーカスした記事になります。よろしくお願いします。
結果は3-2で、コロンビアの逆転勝利
グリーズマンや、レマル、ムバッペ、カンテを擁するフランス代表相手に逆転勝利をおさめたコロンビア代表。やはり日本が所属するグループステージ最大の山場といって間違いなさそうです。
ポゼッションの主導権は、基本的にフランスが握っていましたが、コロンビアにも、トッテナムのダビンソン・サンチェスをはじめバルセロナ所属のCBジェリーミナなど、ビルドアップの得意な選手も何人かいます。
日本はポゼッション率では劣勢に立ちながらの、ゲーム進行が予想されます。
そういった意味では、中盤にデュエルの得意な山口や、井手口を配置し、ボール奪取からの素早い裏への展開を狙うハリルの戦法ははまる可能性もあります。
ブラジルW杯の時は、自分たちでポゼッションしながらゲーム進行をするスタイルがコロンビアにはイマイチはまらず、被カウンターで失点といういつものパターンでしたから。
以下、注目(要注意)選手についてです。
ダビンソン・サンチェス
生年月日 1996年6月12日(21歳)
出身地 カトロ
身長 187cm
体重 83kg
ポジション CB
利き足 右
速さ、強さに加え、ビルドアップも得意とするCB
とにかく、速いです。「そこ間に合っちゃうんだ」というシーンが散見されました。
奪ってから裏のスペースを狙って、WGをナナメに走らせる日本のスタイルが彼に通用するのか、見ものです。
加えてこの選手は、常にFWやセントラルの選手の動きを見ながらビルドアップをするため、効果的な縦パスをバンバン狙ってきます。
ハーフスペース(ピッチを縦に5分割した時の、2番と4番の位置)にボールが収まったとき、コロンビアの攻撃のスイッチが入るため、このハーフスペースへのパスコースをいかに遮断して、インターセプトから前向きの攻めを展開するかがキーになります。この点に関しては、井手口や山口が得意とするプレーですね。
ハメス・ロドリゲス
生年月日 1991年7月12日(26歳)
出身地 ククタ
身長 180cm
体重 75kg
在籍 バイエルン・ミュンヘンFC
利き足 左
なんだかんだ、この男が怖い
やっぱり、この男は外せません。ブラジル大会で日本を粉砕した姿は、未だ記憶に新しいです。
きっと日本戦に向けてよいイメージをもって挑んできますから、怖いですよね。気持ちが乗った時の南米人ほど怖いものは在りませんから。
長い距離を走られると厄介
普段はビルドアップに絡みながら、中央の位置でプレーをするハメスですが、たまに前線の選手を追い越す動きでチャンスメイクをします。ご存知の通り、フィニッシュワークの精度はトップクラスですから、規制を怠ることは避けたいです。
また、オフザボールのプレー精度は4年前より確実に増している印象を受けました。より厄介な選手になっていることは間違いないです。
チーム全体を見たときに
サイドバックが起点になるビルドアップはあまり見られませんでした。(とくに左サイドは長友タイプで、ゴリゴリとにかく走る選手)
はめるなら、SBの位置でしょう。
また、狙うはセンターバックからの縦パス、ハーフスペースのインターセプトといったところでしょうか。とにかくファルカオや、ハメスがボールを引き出した時は厄介なので、常に注意したいところです。
おわりに
まさかフランスに勝ってしまうとは・・・。という印象を受けた方も多いかと思いますが、メンバーを見てわかる通り、三大リーグでプレーすることが当たり前で、なおかつその中でもトップレベルのクラブでプレーする選手が殆どです。一番の山場が初戦ということで、日本代表にはチャレンジャー精神をもって、泥臭く戦ってほしいですね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
JEC