JECのサッカーとフィットネスのブログ

サッカーとフィットネスのブログです。

【平昌オリンピック】100年以上も前に復活したオリンピック。本来のあるべき姿

 

どうも、JECです。(http://twitter.com/jecfootball7)

 

今回はオリンピックの歴史、本来あるべき姿(オリンピズム)についての記事になります。

よろしくお願いします。

 

 

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~オリンピックの起源~

 

古代オリンピック

紀元前9世紀頃の古代ギリシアで、古代オリンピックが始まりました。古代オリンピックは近代のようなスポーツの祭典というよりも、神々を崇めるための宗教的な祭典とされており、体育だけでなく芸術の祭典でもありました。

 

ちなみにこの頃の競技の中には、レスリングなどの格闘技が既にあったそうです。(相手が倒れるまで闘うという鬼畜仕様のルールでしたが・・・。)

 

 

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紀元前146年、ローマ帝国に支配されたギリシアは、国境の変化などに伴いオリンピア信仰を維持することが困難になりました。

 

1169年間受け継がれた古代オリンピックの歴史はここで一度幕を下ろします。

 

~近代オリンピック~

古代オリンピックの終焉から、1500年の時を経てフランスのピエール・ド・クーベルタン男爵のもとスポーツの祭典として、近代オリンピックが再興されます。

 

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クーベルタン男爵

 

第一回大会は、古代オリンピックの故郷ギリシャアテネで開催され、競技は、陸上、水泳、体操、ボート、レスリング、フェンシング、射撃、テニス、自転車の9種目。ウエイトリフティングについては、体操の一種目として実施されました。

 

オリンピズム~オリンピックの本来の姿~

 

クーベルタンは、オリンピックの理念(オリンピズム)を、「スポーツを通して心身を向上させ、さらには文化・国籍など様々な差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献する」と、しました。

JOC クーベルタンとオリンピズムより引用)

 

キーワードになるのは「フェアプレー」と「世界平和」の精神です。

 

オリンピック開催の意義は、スポーツを通じた心身の向上。表彰台で思いっきり喜んではいけないのはこういった心の部分にあたるオリンピズムが理由だということがわかりますね。

 

平昌オリンピックから思うこと~

 

羽生選手や、小平選手などの金メダル獲得で多くの日本人が勇気や感動をもらった今回のオリンピック。ただそれと同時に多くの反則やドーピングの問題も見受けられました。勝利にこだわるあまり、オリンピック本来の理念を忘れている選手は多いです。

 

ロシアは度重なるドーピング問題から今大会はOAROlympic Athlete from Russia)としてオリンピックに参加していますが、カーリング混合ダブルスのアレクサンドル・クルシェルニツキー選手はメルドニウムの陽性反応で銅メダルを返還しますし、

 

スピードスケートなどの種目では競技の最中に意図的な反則(フライング)をする選手もいました。フライングをすることで相手選手にプレッシャーを与える駆け引きはオリンピズム的にはセーフなのか、勝利至上主義的な考え方をオリンピックに持ち込むべきなのか、IOC含め各国代表選手が考え直す必要があります。

 

~オリンピックの政治利用~

下記IOCのオリンピック憲章に記されている通り、オリンピックを利用したプロパガンダは禁止されています。

 

50 広告、 デモンストレーション、 プロパガンダ *
1. IOC 理事会が例外として許可する場合を除き、 オリンピック区域の一部とみなされるスタジア
ム、 競技会場、 その他の競技区域内とその上空は、 いかなる形態の広告、 またはその他の
宣伝も許可されない。 スタジアム、 競技会場、 またはその他の競技グラウンドでは、 商業目
的の設備、 広告標示は許可されない。
2. オリンピック区域、 競技会場、 またはその他の区域では、 いかなる種類のデモンストレーショ
ンも、 あるいは政治的、 宗教的、 人種的プロパガンダも許可されない。

 

しかし、今回の平昌オリンピックHPでは、韓国の観光名所として竹島を取り上げて堂々と宣伝。スポーツの政治利用はオリンピックにおいて最大のタブーです。

 

おわりに

 

選手間のドーピング問題、不正行為、さらには商業目的の宣伝から、プロパガンダまで、クーベルタンの掲げた「フェアプレー」と「世界平和」について、本来のあるべき姿について考え直す必要があります。2020年東京オリンピックが楽しみな反面、オリンピズムの継承が大きな課題となります。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

JEC(http://twitter.com/jecfootball7)

 

 

 

 

 

 

 

 

【サッカー選手の持久力】素走りは意味がない?②

 

どうも、JECです。(http://twitter.com/jecfootball7)

 

 

今回は前回の続きです。

 

 

前回 素走りは意味がない?①

【サッカー選手の持久力】素走りは意味がない?① - 脳と身体、フットボールの連動性 byJEC

 

 

実際に行うトレーニングの中で、サッカーにおける持久力(コンテキストの把握と疲労時のプレー精度)に重きを置きながら、体系的な持久力を同時に高めるメゾットの紹介と、それらのトレーニングメゾットと素走りを比較する記事になります。よろしくお願いします。

 

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サッカーにおける持久力と、体系的な持久力を同時に高めるには

  

国内の多くのトレーニングメゾットでは、フィジカルはフィジカルの練習、技術は技術の練習、戦術は戦術の練習と、それぞれを区分して行う方法が主流ですが、実際のゲームはそれら三つの要素が全て同時に内在しています。つまり、それらを区分して行うトレーニングメゾットは実践的な練習とは言えません。

 

 

それらの三大要素のうちいくつかを同時に取り入れた練習はより効率的で、実践的と言えるでしょう。

 

 

では、どのようにすればサッカーにおける持久力と、体系的な要素を同時にトレーニングできるのか。そのためにはボールを使用したトレーニングの負荷を高める必要があります。

 

 

具体的なトレーニングメゾット

 

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・メニューの形式的には特殊なものはありません。普段行うゲーム形式の練習や、対人の練習、ロンド形式の練習をより高負荷、高強度にするだけです。

 

 

・どのようにして強度を上げるか、私がオススメする方法の一つに、

 

 

トレーニングスペースを、より縮小してトレーニングを行う方法があります。

 

 

敵と味方の距離感を近くすることで、ロンド形式の練習や、ボールポゼッションの練習でのトランジション(攻守の切り替え)の回数をより増やす方法です。

 

 

ネガティヴトランジションでは、より素早くプレッシングをしかける必要があり、

  

ポジティブトランジションでは、より素早くサポートをする必要があります。

 

 

これらの練習では、主に無酸素性持久力(体系的な持久力)を高めると同時に、

 

 

より速い判断を行う必要があり、コンテキストを素早く認知する状況把握能力、疲労時のプレー精度(サッカーにおける持久力)を高める事ができます。

 

また、トレーニングスペースを拡大して行う方法も有酸素性持久力(体系的な持久力)を高めるのに適しています。よりプレッシングの際により長い距離を移動必要があり、これは、プレッシングの際の「最適スピード」を考える練習にもなります。

 

最適スピードの記事

【サッカー選手の筋トレ】サッカーにおけるスピード - 脳と身体、フットボールの連動性 byJEC

 

 

これらのトレーニングを行う際の注意点

 

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三大要素を同時に行うトレーニングについては、ボールを扱う基本的な技術を全選手が持ち合わせていることが前提となります。なので、上記のトレーニングメゾットは初心者の方にはオススメしません。

 

指導者の方は、できるだけトレーニングを中断してはいけません。各選手への指導、アドバイスは各トレーニングセット間のレストに行うべきです。トレーニング中にアドバイスを行ってしまうと、選手間の心拍数が低下し、身体組織が回復してしまい、想定した十分な負荷をかけることができなくなります。

 

トレーニングの準備(マーカーの配置など)も事前に行うことでよりスムーズに練習を進める必要があります。トレーニングの進行は常に選手にかかっている負荷、疲労を考慮しながら行いましょう。

 

これらの練習は同じ距離の陸上トラックを走るフィジカルトレーニングのように、全員に均一な負荷をかけることは困難です。選手間の疲労度を考えながら、攻守を入れ替えるなどの工夫が必要になります。

 

 

素走り

 

結局のところ、素走りは行うべきなのか?という問題については、私自身の見解としては、「シーズン中は行うべきではない」と考えております。つまり、週末に何かしらの試合がある、リーグ戦やトレーニングマッチがある場合に、選手間の疲労を考慮すると、怪我のリスクが高まりますし、なにより完全にフィジカルのみにフォーカスした練習なので、直接的なパフォーマンス向上が期待できません。また国内のチームを見る限り、より技術面、戦術面の向上が必要なのは明らかですし、オーバーワークのチームが余りにも多い現状もあります。

 

 

まとめ

 

ボールを扱う練習の中で十分に体系的な持久力を高めることはできますし、90分程度の練習時間でも強度は十分に高めることができます。

 

国内チームの多くがオーバーワーク気味で、選手の中にも事前に防ぐことができた怪我が多いです。

  

「メンタルを鍛える」ことが意図の素走りとなるとまたそれは別の問題になりますが・・・。

 

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

 

JEC(http://twitter.com/jecfootball7)

【サッカー選手の持久力】素走りは意味がない?①

 

どうも、JECです。(http://twitter.com/jecfootball7)

 

今回はサッカーにおける持久力についての記事になります。よろしくお願いします。

 

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はじめに

 

・「サッカーにおける持久力」と、一般的な「体系的持久力」は大きく異なります。

 

・「体系的持久力」について具体的には、以下のようなものが挙げられます。

 

筋細胞のエネルギー保存量の増加

 

ミトコンドリアの数の増加

 

心拍出量と血液量が増加を意味する心筋の肥大

 

休息時 準最大時の心拍数の減少

 

血液量と酸素運搬能力の増加

 

血管の吸上げ能力の向上

 

肺胞の増加によるガス交換の効率向上

 

乳酸の生産、分解の改善

 

・フィジカルコンディションを考慮した際に、上記したものはどれも重要な要素ではあるのですが、あえて今回はそれらの「体系的な持久力」と「サッカーの持久力」が異なった要素から構成されており、実際のゲームにおいてどちらがより重要であるかを考えます。

 

サッカーにおける持久力

 

複雑性が非常に高いサッカーの競技性を考慮した際に、上記した体系的な持久力をそのまま選手の持久力として決定するのは不十分です。

 

スピードの記事でも取り上げたように、適切なタイミングで、如何に最適なアクションをとるかにフォーカスするべきで、コンテキスト(状況背景)と持久力を切り離して考えることはできません。それらのコンテキストを認識する、情報把握能力もまた「サッカーの持久力」の一要素として捉えることができます。

 

↓「サッカーにおけるスピード」の記事↓

【サッカー選手の筋トレ】サッカーにおけるスピード - 脳と身体、フットボールの連動性 byJEC

 

 

また、全ての試合において、常に「疲労」という概念は選手につきまといます。「疲労の伴った状態でプレーの精度を高いレベルで保つこと」もサッカーの持久力として捉えることができます。

 

現段階の国内トレーニングメゾットの問題点

 

国内の多くの部活動・クラブチームでは「素走り」を中心としたトレーニングメゾットで持久力の改善に取り組んでいます。

 

素走りがもたらす多くの問題点のなかでも特筆すべきは、まったくもってサッカーの持久力」を向上させることができない点にあります。(オーバーワークなどの問題については後の記事で触れます)

 

上記したような、

 

・コンテキストの把握能力

 

・疲労が伴った状態でのプレー精度

 

を、すべて放棄した体系的なトレーニングはパフォーマンス向上について効果的ではありません。

 

試合の分析を体系的な部分(運動量など)のみにフォーカスし、それらの要素を抽出し行う還元的な考えのトレーニングメゾットは、実践的なトレーニングと言えるでしょうか。

 

多くの場合、これらの素走りや走り込みはチーム内での選手間の相互作用、システムの機能を過小評価した指導者によって行われます。

 

実際のゲームにおいて、本当に重要な要素は何なのか、フィジカルトレーナーを含む全ての指導者が考え直す必要があります。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

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【筋トレ初心者】【栄養学】タンパク質・アミノ酸について

 

どうも、JECです。(http://twitter.com/jecfootball7)

 

今回はタンパク質とアミノ酸の記事になります。前回よりも少し踏み込んだ記事になります。よろしくお願いします。

 

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↓前回のタンパク質の記事↓

【筋トレ初心者】【栄養学の基本】タンパク質の基本 - 脳と身体、フットボールの連動性 byJEC

 

↓前回のアミノ酸の記事↓

【筋トレ初心者】アミノ酸の基本 - 脳と身体、フットボールの連動性 byJEC

 

 

タンパク質とアミノ酸

 

タンパク質はアミノ酸が多数結合した高分子化合物です。構成するアミノ酸の種類や配列によって異なった構造になります。(約10万種類)

 

体内で生成されない、食事から摂る必要のある必須アミノ酸の中でも、バリン・ロイシン・イソロイシン(BCAA)は筋肉と深い結びつきがあります。

 

バリン 

→成長を促す

→筋肉の強化

 

ロイシン

→肝臓の機能を高める

→筋肉の強化

 

イソロイシン

→神経の働きを助ける

→筋肉の強化

 

BCAAは摂取から30分後に血中濃度がピークまで高まるので、運動前、運動中に摂取することがオススメです。

 

必須アミノ酸

 

体内で合成可能なアミノ酸です。

筋肉との関係が深いもののみ紹介します。

 

アスパラギン

→エネルギー代謝を促す

→疲労回復

 

グルタミン 

→胃腸や筋肉の機能を保つ 

→体脂肪の代謝を高める

 

グルタミン酸 

脳や神経の働きを助ける 

→疲労回復

 

アルギニン 

→成長ホルモン合成 

→体脂肪の代謝を高める

 

などがあります。

 

タンパク質の質 

 

脂質が少ないものが良質とされています。動物性の食品に多く含まれるタンパク質ですが、動物性の食品は同時に脂質も多く含むので、食品を選ぶ際は注意が必要です。ササミや豚ヒレ肉が高タンパク低脂質でオススメです。

 

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植物性タンパク質を含む食品は脂質が少ない傾向があるので、オススメです。とくに「畑の肉」とされる大豆は植物性食品の中でもおすすめです。

 

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タンパク質の質を決定する大きな要素として、「アミノ酸スコア」があります。

 

そのタンパク質内に含まれる必須アミノ酸の種類とその量についてです。

 

現在必須アミノ酸の数は9種類ですが、これらがすべて適切な割合で含まれているものが利用効率の良い、良質なタンパク質とされます。

 

アミノ酸スコアが高いものは、全般的な肉、魚、卵に代表されますが、肉ではソーセージが必須アミノ酸であるトリプトファンの基準値に達しておらず、少し物足りない印象です。

 

トリプトファン

神経伝達物質

→鎮痛作用

→免疫力向上

 

タンパク質の摂り方

 

タンパク質の代謝にはビタミンB群が欠かせません。ビタミンB群不足では、タンパク質の合成や分解がスムーズに行われません。

 

なかでもビタミンB6はタンパク質の合成分解に不可欠です。

 

ビタミンB6はマグロ、カツオ、ニンニクなどに含まれています。

 

ビタミンB6はタンパク質1gあたり0.019gが必要とされています。

 

まとめ

 

タンパク質とアミノ酸の関係性を理解しましょう。必須アミノ酸(BCAA)とプロテインはアスリートにとって必須のサプリメントになります。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

 

JEC(http://twitter.com/jecfootball7)

 

 

【サッカー選手の筋トレ】サッカーにおけるスピード

 

どうも、JECです。(http://twitter.com/jecfootball7)

 

今回はサッカーにおけるスピードについてです。サッカーという複雑性の非常に高い競技においてスピードという要素をどう捉えるかについて考えます。

 

よろしくお願いします。

 

サッカーにおけるスピードとは

 

「スピード」と聞いて、一般的に思い浮かぶのは、「足の速さ」などの体系的なものが挙げられますが、サッカーという競技においては、「判断のスピード」や「思考のスピード」がより重要であると考えられます。

 

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「速い選手」といえば、リヴァプールのモハメド・サラー選手やアーセナルのピエール・オバメヤン選手を挙げる人が多数でしょう。しかし、それはあくまで体系的な速さで、サッカー的な速さ全てを兼ね備えた選手かどうかという点では議論の余地があります。つまり、サッカーにおけるスピードを体系的なものに限定しなければ、イニエスタも速い選手になるのです

(勿論、体系的な最大スピードのある選手はオプションとして非常に有効です。)

 

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単に「移動スピード」のみで選手のスピードを決めるべきではありません。サッカーという競技において重要なのは効率的にゴールへ向かうこと。選手自身がゲーム状況を素早く把握しより効果的なポジショニングをする、適切な体の向きを素早く作ることが重要になります。(適切な体の向きを素早く作る能力についてはコーディネーション能力が深く関連します。)

 

 

↓コーディネーション能力についての記事↓

 【サッカー選手の筋トレ】パフォーマンス向上への実践的フィジカルトレーニング② - 脳と身体、フットボールの連動性 byJEC

 

 

最大スピードと最適スピード

 

・体系的な「移動スピード」について考えた時に、スピードは最大スピードと最適スピードに区別して考える必要があります。

  

・最適スピードとは、ゲーム状況に応じた最適速度の事を指します。常に最大スピードでプレーすることよりも、「いつ速さを発揮するか」が重要になります。これは俗にいう「緩急」の考え方に類似しています。クリスティアーノ・ロナウド選手やリオネル・メッシ選手は世界最高の選手ですが、彼らよりも速い最高速度で走る選手は世界中にいます。重要なのは、「いつ最大スピードになるか」という最適スピードの考え方を理解することになります。

 

 

トレーニングメゾットについて

  

最大スピードを高めるトレーニングを重点的に行うチームが多く存在しますが、上記した通り重要なのは体系的なスピードではなく、状況把握や判断のスピードになります。実際の試合はアクションの56%が1〜3秒の短いアクションから成り立ちます。対して最大スピードで行うアクションは試合全体の2%以下で、判断スピードの向上が伴わない単純な体系的トレーニングメゾットはグループ単位で行う際に、非効率的であることがわかります。

 

 

今後のブログ記事でも触れる予定ですが、技術とフィジカルを分けた練習方法は、非効率的です。可能な限り、複雑性の高い練習(=実践的な練習)を行うことをお勧めします。

 

 

まとめ

 

 

サッカーにおけるスピードをどう捉えるかという記事でした。今日の国内サッカーチームではサッカー指導者とフィジカルトレーナーを完全に分けたチームが大半を占めます。しかし、最も実践的なトレーニングとは、技術とフィジカルを内在した複雑性の高いものですから、もしグループ単位の指導をする際はこれらの複雑性について意識したメゾットを実践しましょう。

 

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

 

JEC(http://twitter.com/jecfootball7)

【サッカー選手の筋トレ】パフォーマンス向上への実践的フィジカルトレーニング②

 

どうも、JECです。(http://twitter.com/jecfootball7)

 

今回は直接的なパフォーマンス向上について、実践的フィジカルトレーニングの中でも、コーディネーション能力について深く掘り下げた記事になります。かなり専門性の高い記事になりますが、選手〜指導者まで全てのサッカー関係者にとって必要な要素となります。

よろしくお願いします。

 

↓前回記事・フィジカル語句まとめ↓

 http://www.jecfootball.com/entry/2018/02/10/213042

 

 

コーディネーション能力(調整力)

 

非効率な体の動き(動きのブレ)を修正する能力、調整力と考えることも出来ます。コーディネーション能力を高めることで、より効率的なアクションを可能にします。

 

体の動き(動きのブレ)は個人間のプレーモデルや、身体的因子に依存するので、グループでコーディネーションを指導する事はお勧めしません。個人間のアクションによってメゾットを考える必要があります。

 

ベッカムクリスティアーノ・ロナウド、国内の選手だと中村俊輔選手が代表する、フリーキックを例に考えると、イメージし易いかもしれません。

 

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世界的なスター選手である彼らのキックフォームは、どれもオンリーワンで、誰かに教えてもらった(コーディネートされた)ものではなく、独自で修正を重ねて完成されたフォームです。

 

「コーディネーションの指導はプレーモデルに依存する」とは、単に枠から外れたフォームを決められた型の中で修正する訳ではなく、独自のフォームをより安定的なものに向上させるものとされます。

 

独自のプレーモデル、キックフォームのある選手に対して「修正」を加えることがコーディネーションの指導ではないと言うことです。

 

 

 

コーディネーション能力(巧妙さ)

 

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・コーディネーションのもう一つの側面です。

 

レスターの岡崎慎司選手が取り組むフィジカルトレーニングもコーディネーション能力を意識した練習とされますが、調整力と同時に「動きの巧妙さ」をより意識したコーディネーションになります。

 

岡崎慎司選手のパーソナルトレーナーを務める法政大学経済学部経済学科教授の杉本龍勇氏は、自身のトレーニングメゾットについて、

 

「基礎体力や瞬発力、リズム感などの身体能力を向上させ、自分が思い描いたイメージ通りに体を動かす力を鍛える方法を指導しています。」(引用元:法政大学 http://www.hosei.ac.jp/koho/pickup/professor/2016/160927.html)

 

と、言及しています。

 

この、自分が思い描いたイメージ通りに体を動かす力コーディネーション能力になります。

 

つまり、神経システムを駆使して、「客観的動作イメージ」を「主体的動作」へシフトする能力とも言えます。

 

これが、コーディネーション能力の要素の一つでもある「巧妙さ」と捉えられます。

 

コーディネーショントレーニングを行う上での注意点

 

・上記した通り、独自のプレーモデルを修正しないように注意しましょう。グループ単位の指導ではなく個人間でメゾットを考える必要があります。

 

選手本人がコーディネーションを理解する必要があります。無意識的に動作を繰り返してもパフォーマンス向上は見込まれません。重要なのは脳と筋肉の連動、シナジーです。

 

・安定的かつフレキシブル(柔軟的)である必要があります。何か一つの動作を機械的に練習するとコーディネーションは失われてしまいます。

 

このような同じ動作を何度も反復するトレーニングメゾットを、「ディファレンシャルトレーニング」と総称します。コーディネーション能力の向上は見込まれませんが、基礎能力(ボールを扱う基本的な技術)の向上については有効です。

 

ただ、実践的な練習の必須要素であるフレキシブルを放棄した練習となりますので、グループ単位で行う練習としては非効率になります。

 

まとめ

 

今回はコーディネーション能力の中でも、「調整力」と「巧妙さ」を中心とした記事になりました。

 

重要なのは「客観的イメージ」を「主体的アクション」へシフトすることです。「脳と筋肉の連動」もコーディネーションの体系的な側面として意識しましょう。

 

 

 

コーディネーション能力についてかなり詳しい記事になりました。国内でここまでコーディネーションを扱った記事はないので、是非参考にしてみてください。後日、より具体的なメゾットをご紹介する予定です。

 

 最後までお読み頂きありがとうございました。

  

JEC(http://twitter.com/jecfootball7)

 

【サッカー選手の筋トレ】パフォーマンス向上への実践的フィジカルトレーニング①

 

どうも、JECです。(http://twitter.com/jecfootball7)

 

サッカー選手の筋力トレーニング、フィジカルトレーニングについてです。直接的なパフォーマンス向上が見込まれる実践的なトレーニングメゾットを考えていきますが、専門性が高い記事になるので、いくつかの章に分けてご紹介します。

 

今回の章では今後トレーニングメゾットを考える上で頻出する単語をまとめていきます。また、それぞれの単語についても今後の記事でより詳しく触れていきます。よろしくお願いします。

 

コーディネーション能力

 

調整力(コンディショニング)、柔軟性(フレキシビリティ)、アクションの巧妙さなどに置き換えて考えることが出来ます。

 

・常に変化するゲーム状況の中で、それに適応する多様性と深く関わります。

 

それぞれのプレー、アクションをよりスピーディーに行う為に「動きのブレ」を無くすこと、効率性を高めることが、コーディネーション能力の向上になります。

 

・効率的なアクションという点で、イニエスタグアルディオラが得意とする能力です。

 

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複雑性 

 

サッカーは複雑性が非常に高い競技になります。ひとつのプレーにも様々な要素が相互作用しているので、複雑性という言葉はサッカーにおいてキーワードとなります。

 

複雑性が高い練習は、効率的で実践的な練習であると言えます。

 

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相互作用(シナジー)

 

サッカーという競技はシナジーの連続で成り立っています。(出し手ー受け手や、時間ースペースのように)

 

体系的な要素についても、シナジーが重要になります。(筋肉ー神経システムのように)

 

・複雑性と同様に、シナジーを意識することで練習の効率を高めることが出来ます。

 

 

まとめ

 

上記した三単語が、サッカーとフィジカルを結びつけて考える際に頻出します。国内のトレーニングメゾットでは中々聞くことのない言葉ばかりですが、大元の意味を理解して、今後のブログ記事や欧州のサッカーニュースなどを読む際に役立ててみて下さい。その他にもピリオダイゼーション、ダイナミクスシステムなどについても今後の記事で紹介いたします。

 

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

 

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